営業力強化が先か、マーケティング戦略が先か
2015年02月07日 マーケティング
こんにちは! 事業戦略、マーケティング戦略の策定・実行をご支援する
「とことんおせっかい軍師」こと曽我宏紀です。
本日はご相談をいただいたクライアントに多く見受けられます営業力強化の陥りがちな考え方についてお話しします。
事業とは「戦い」です。
企業は自らの事業で戦いに勝ち売上を上げることでステークホルダーや社会に貢献をしなければいけません。
売上に直結する部門は営業です。
従いまして営業力の強化施策をすぐに実行しようとする企業が多いのですが、ここで陥りがちなワナがあります。
『売上を伸ばし収益を拡大すること=営業の強化』
と営業戦略の策定を考えるのは視野が狭い判断です。
売上目標達成の為のKPIを設定しPDCAを回す。
よくあります。
営業は
■訪問件数を上げればよいのでしょうか?
■見積り依頼を増やせばよいのでしょうか?
■キーマンリストやアプローチリストを増やせばよいのでしょうか?
■製品知識を高めればよいのでしょうか?
■上司やエンジニアなどの専門職へのアテンド件数を高めればよいのでしょうか?
残念ながら答えはいずれも「×」です。
営業(セールス)とは、マーケティングの基で実行される施策であるからです。
◆戦う場所(市場)はどこか?
◆敵(競合)は誰か?
◆自社商材の強みと弱みは何か?(競合との優位性)
◆ターゲット(顧客)は誰か?
それらを分析し熟慮した上で、
《自社商材をもっとも販売、導入しやすいターゲット層(顧客層)は誰か? 》
それを明確にすることで市場に存在する潜在顧客へアプローチする。
●Webサイトからプロモーションするか?
●展示会に出展するか?
●広告掲載するか?
●関連企業とアライアンスを提案するか?
●アタックリストを作成し営業するか?
など複数の選択肢の一つが営業(セールス)です。
上記はマーケティング戦略策定プロセスの施策例ですが、より上位に事業全体の戦略、「事業戦略」があります。
さらに上位に会社全体の戦略、全社戦略がありますが今回は割愛します。
企業が事業をして勝つために必要な戦略を事業戦略といいます。これが最も重要ですが、そのプロセスで必要なのがマーケティング戦略です。
商品をどのようにして売るか、売れるようにするか仕組みを構築する為の戦略です。
営業戦略はそのマーケティング戦略を策定するプロセスで策定されます。
つまり営業はマーケティングと一体なのです。
企業によっては営業部門とマーケティング部門があります。
部門同士よく喧嘩をしている企業も多いですね。
展示会で取集した名刺に対してのフォロー一つとっても意見が異なりそれぞれ異なる方針で施策を実行した結果、見込み顧客の開拓もできず展示会への投資が無駄だった・・・・。
なんてことはよく聞く話しです。
営業の戦術をいきなり実行してしまうと、そもそもの戦略がないのでかなりしんどい割には全然結果がでない営業になってしまいます。
竹やりを持って戦闘機に向かっていた日本兵のようです。
つまりいきなり営業強化だ!と決定し営業戦略を作っても、その戦略は売上を上げる為の有効な戦略とはなりにくいのです。
私が好きな言葉で「彼を知り己を知れば百戦危からず」 という孫子兵法のフレーズがあります。
相手(競合、顧客)の現状を徹底的に調べ上げて情報を知ることができれば何度戦っても危険ではない。(必勝ではない。負けたとしても大敗ではない。) と訳されます。
営業力強化を考える前にマーケティングを考える事が結果として目的達成の為の最短の道が開けそうです。