マーケティングスキルの必要性
2015年01月30日 マーケティング
こんにちは! 新規事業立ち上げ支援、事業戦略、マーケティング戦略を策定するだけでなく共に実行するおせっかい軍師 曽我宏紀です。
本日は名古屋で遭遇した出来事をお話ししたいと思います。
「マッチ売りの少女」 ならぬ 「カレーパン売りの青年」 のお話しです。
ある週末、雪が降るくらいの寒さでしたがその日名古屋は雨が降っていました。
私は打ち合わせを終え、駅に向かって歩いていたところリアカーを引いた青年に声をかけられました。
「カレーパンいらないですか?」と満面の笑顔で声をかけられたので最初は知り合いかな?と思いましたが顔を見てすぐに知人ではないことがわかり、私はただ何も言わずに首を横に振り通り過ぎました。
しかし、その青年も同じ方向に向かって歩いてきたので、次の横断歩道が赤信号で数名人が待っていましたが、その男性、女性の会社員たちにも同じように「カレーパン要らないですか?」と声をかけていました。
雨が降り雪が降りそうな程寒い中で、大変だな。 と思いながらも、彼の目的はなんだろうとふと、考えてしまいました。
① この寒い中でも販売活動をするという、根性を鍛える。つまりメンタル力向上
② やはりカレーパンを売りたい
③ 何かのキャンペーン、つまりプロモーション施策
④ 何かの罰ゲーム
⑤ 上司に指示されたまま行動している
ざっと5パターンのオプション(選択肢)を考えました。
① ならカレーパンが売れても売れなくてもよい。
② 彼の満面の笑顔での接客を考えると②が濃厚
③ リアカーにPOPも何もなく可能性としては低い
④ 平日の昼間に罰ゲームをする可能性は低い。テレビ番組制作ではなさそう。
⑤ 売れるまで帰ってくるな!と指示されたのか?
パン屋で体育会系のノリがある企業もなかなかめずらしい。可能性として低い。
青年はもしかしたら個人または数名で名古屋市内でパン屋を始めたのかもしれない。
とにかく販売したい。売りたいのでないかと。
それで雨の日でもリアカーで売り歩いている。
食べてみたらおいしいかもしれないカレーパン。
ですが、残念ながら 雨の日に(雪が降るくらい寒い)路上で移動販売という戦術は勝てる戦術とは言えません。
戦略なき戦術は本当の戦術ではないからです。
このカレーパン販売のケースの場合はリアカーでの移動販売は、いろいろな販売方法の一つなだけであり、戦術ではありません。
雨の日、傘を片手で差しながら片手でカバンを持っている人に対しての有効な販売方法でしょうか。
ターゲットは誰でしょうか。
売る場所はどこでしょうか?
あんぱんではなくカレーパンの売るタイミングはいつでしょうか?
戦で勝つ為には、天候、地の利、戦力、相手の状況など、複合的に考えて最適な戦略を練る必要があります。
カレーパンを完売する事が目的とした場合、「勝つ」ということはカレーパンの完売、買っていただいたお客様へ店舗を知ってもらうこと です。
その目的を果たすための戦略が、そもそも重要なのです。
私がご支援致しました企業は、戦術に頭がいってしまい、それが本当に有効な本来の目的を果たすための戦術かどうかは検証しないまま行動されるケースを多く見受けました。
マーケティングのスキルは企業のどの部門でも必要だと考えながら寒空の名古屋を歩いてました。