なるべくなら失敗したくない!新規事業立ち上げ支援 Part2
2015年03月03日 マーケティング
「なるべくなら失敗したくない!新規事業立ち上げ支援 Part2」
ということで新規事業の立ち上げのポイントについて解説していきます。
御社の新規事業を考える時に、まず整理しておかないといけない事があります。
それは、
①御社の事業は何か?
②得意な領域は何か?
という2点です。
①の定義の仕方によって、②をどれだけ把握しているかによってずいぶん方向が変わってしまいます。
たとえば大変すばらしいアイデアが湧いたとします。
まだ誰もやっていない、独創的な新規事業の企画が発案できたとします。
しかし、御社の本業ではない事業だとしたら、事業化する事は相当なパワーが必要です。
事業化しても勝てる強みはありますか?
新規事業や新製品を考える時は本業を重視したほうがすでにある経営資源【人・モノ・金・情報(ノウハウ、経験、)・チャネル】を有効活用できます。
新規事業・新製品は御社事業の領域内で考えるのがよい
Ⅰ 事業の領域
御社の事業領域は何かを定義しましょう。
飲食、アパレル、システム開発、化粧品メーカー、鉄道、美容サロン、百貨店、飲料水メーカー等々。
ここで自社の事業領域を直訳的に定義してはいけません。
例) 「当社は防犯カメラの製造販売会社です。」
このような「製品志向型」は視野が狭くなってしまいます。たとえば、防犯カメラに代わる新たな製品や技術ができたら衰退してしまう可能性があります。
定義をするなら「市場志向型」です。
市場志向型とは、顧客視点の考え方です。
上の例なら、たとえば、
「当社は安心・安全・快適な暮らしを実現する住宅のソリューション会社です。」と定義します。
そうすると、空き巣や車上荒らしなどの盗難の見守りや火事、放火などの火災の見守り、お年寄り、小さいな子供、ペットなどの見守りなど事業はどんどん広がっていきます。
防犯だけでなく、何かあったときの駆けつけサポートの事業も可能です。
さらに、買い物代行サービス、家事代行サービスなど快適な生活を支援するサービスも可能ですね。
前者の「製品志向型」では防犯カメラをひたすら企画、開発しどうにかして売っていかなければなりません。
今後の事業の発展も細く枝も少ない木となってしまいます。
一方で「市場志向型」は視野が広く幅も広がります。今後の事業も太く枝も多い木となり事業の発展性は大です。
御社の事業領域は何でしょうか?
自社の事業は________________________です。
Ⅱ 得意領域
御社の得意な領域は何かを把握しましょう。
御社の事業で最も得意とする事は何かを可視化するのです。
当社はシステム開発会社だからシステム開発が得意。
当社は和菓子メーカーだから和菓子作りが得意。
などこのように自社の事業を考えられるかと思います。
が、ちょっと待ってください。
このような単純な事ではございません。
その中での得意な事を可視化する必要があります。
システム開発ならコストを極力抑えながらもクライアントの要望が実現できる設計力ならどこにもまけない。
和菓子なら、うちのあんはどこにも負けない。
といった自社の強みや得意な領域の事です。
2点考え方を紹介します。
①他社と比べて自社の○○は負けないという強み
上の例ですと、システム会社は企画力、設計力、開発力、サポート力・・・・ などある中でも設計が強み
和菓子メーカーは、企画力、製造力、販売力、商品力・・・・などある中でも中身のあんが強み
②自社事業の事業活動工程での強み
商品企画→原材料調達→製造→出荷→販売など自社事業の製品やサービスが顧客のもとに届くまでを機能ごとに細分化した時に、自社はどの機能に強みがあるかを可視化します。
先の和菓子メーカーの例
工場では多種な和菓子作りに対応できる機械を導入している。
これらを可視化すること御社で勝算のある新規事業のヒントが見えてくるのです。
御社の得意領域は何でしょうか?
自社の得意領域は________________________です。
ここで御社が自社事業の領域、得意な領域を可視化することで
アパレルが本業なのにカフェ事業
飲食が本業なのに太陽光発電システム販売事業
家電メーカーが本業なのに金融事業
と本業からかけ離れた事業をする選択肢はなくなったかと思います。
本業とは異なる新規事業の選択をする場合は、既存事業の成長性が事業戦略を徹底的に綿密に練ったとしても見込みがない時くらいにした方が賢明です。
さて、事業の領域、得意な領域を考えました。
差別化と新市場の創造
Ⅲ 「市場」=「戦場」
次に考える事は「市場」=「戦場」についてです。
新規事業、新製品はどの戦場で戦うか?
自社事業には「売上」を取り合う競合がいます。つまり市場を取り合っているのです。
①他社が先行しているが差別化した製品やサービスを作り市場をとる。
②他社がやっていない、潜在的な需要がある新製品、新サービスをつくり新しい市場で優位に立つ。
この2点がポイントです。
たとえば、菓子メーカーの江崎グリコ社は小売店に買いに行かなくてもオフィスで気軽にお菓子が買える「オフィスグリコ」を展開していますが、①と②を満たしていますよね。
市場=戦場としたのは、ブログで何度もお話ししていますが事業とは戦(いくさ)と同じだからです。
①と②を考える事は、競合と自社の事をよく知らないと考えつきません。
市場=戦場の絞り込み
Ⅳ 市場の絞り込み
市場=戦場を考えるとどうですか? 範囲が広すぎませんか?
個人向けの事業でしたら何歳から何歳まで?男性?女性?成人なら職業とか年収とか家族構成とか・・・・。
企業向けなら、年商規模は?従業員数は?業種、業界は?
市場全体から考えると敵から市場を奪いとるためにはあまりに範囲が広すぎる場合があります。
そこで、市場の中のさらにピンポイントで攻める市場を定めるのです。
例えば、個人向けなら関西エリア在住のシニア世代でアクティブシニアと言われる元気なシニアの方。
企業向けなら東海エリア内の年商10億未満、従業員50名未満の製造業。
といったようになります。
こうしたほうが、ビジネスの企画、リリース後のプロモーションなどのしやすさのイメージが湧くかと思います。
つまり市場の中のさらにターゲットを絞る事が大事なのです。
以上の整理、分類、可視化などをされた上で次回はまとめの解説を致します。